「未病」を見据えた健康診断/人間ドック
日本の医療技術は世界トップレベルと言われており、平均寿命が長い一方で、健康寿命は8年から10年ほど短いと言われています。病気のリスクや予兆を感じた時点で適切に対処することで健康寿命を延ばす可能性が広がるため、「未病」への対策が重要になります。そのためには、健康診断/人間ドックは欠かせません。健康診断/人間ドックには、主に3つの役割があります。
1. 病気を発見する
かつては健康診断や人間ドック受診の推奨に対して否定するような意見がメディア等で出たこともありますが、現在ではこうした批判はほとんど聞かれません。例えば、以前は「治らない病気」とされていたがんも、早期発見によって「治る病気」になってきています。私たちのグループの医師によれば、健康診断や人間ドックを受診することにより、がんのような重大疾患を早期発見して早く治すだけでなく、早期の社会復帰も見込めると評価しています。
2. 体の状態を知る
人間ドックや健康診断には、「病気の発見」以外にもうひとつ大切な目的があります。それは、自分の「体の状態を知る」ことです。体の状態を把握することで、「未病」段階から対策を講じることができ、病気になる確率を下げることができます。これが「未病対策」です。
ただし、「未病対策」は簡単に実践できるものではありません。例えば、血糖値が上昇傾向にある方が「糖質制限が必要だから白米の摂取をやめなさい」と言われても、白米は多くの日本人の食生活に欠かせず、実践が難しいものです。ストレスを少なくして糖質を管理する方法など、「未病」に対して有効な提案ができれば、そこに大きなビジネスチャンスも生まれると考えています。
3. 将来に備える
日本では「国民皆保険制度」を通じて、病気になった場合には誰でも「(原則)3割負担」で医療を受けることができます。しかし、現在、社会全体で医療費の削減が進んでいます。例えば、訪問診療を中止した医療機関などもあります。医療機関の経営が苦しくなり保険給付が減額されるため、訪問診療が中止されたとのことです。もし自力で医療機関に行くことができない人々への訪問診療が中止されてしまったら、患者はどうなるでしょうか? 日本では医療を安価に受けられるという前提がありましたが、現状は変化しています。医療費は上昇し、健康保険のカバーする範囲が縮小し、医師の数も減少しています。
介護についても同様の状況が見られます。介護保険の点数は増加しているように見えますが、実際には介護保険が適用される条件が厳しくなっています。すべての人が簡単に介護を受けられる時代ではなくなってきているのです。
医療や介護を取り巻く状況が不確実性を増している中で、「未病」へのアプローチはますます重要となっています。未病の段階で適切な措置を取ることで、病気を発見し、体の状態を知り、将来のために備えることができるのです。これからの時代、健康を守るのは各個人であり、社会的にも事業的にも大きなニーズが存在しています。
当社は創業以来、さまざまな新しい医療サービスの開発に取り組んできましたが、「未病」への挑戦は今後も続きます。私たちは、確かな市場である社会的な需要に基づき、「未病」を中心とした幅広いメディカル事業を展開していきます。
※メッセージ内容は、2025年3月時点のものです