良い会社とは、どのような会社でしょうか？ 残業が少ない、通勤が便利、良好な人間関係、社会貢献度など、様々な観点からの回答が得られると思います。
私が考える良い会社とは、給与が上がる会社です。そして大事なことは、給与の原資となる利益を上げる会社であることです。
医療事業の場合、多くのお客様にご来院いただける魅力的な医療施設であることが不可欠です。お客様にとっての魅力には、医療の質、信頼性、接遇、立地など、さまざまな要素が含まれますが、例えば、待ち時間が短く、スピーディーで充実した東京ミッドタウンクリニックの健康診断は、お客様に非常に好評であり、大きな魅力の一つと言えるでしょう。
ある地区で繁盛しているクリニックが存在するとします。その地区ではそのクリニックが持つ診療科は他になく、いつも混雑しており、待ち時間も長い。待たされますが、競合がないので多くの患者様が訪れます。一見、良いクリニックのように見えるかもしれません。
しかし、もし同じ診療科を持つクリニックが同じ地区にオープンした場合に、患者様の半分を奪われるようであれば、このクリニックは本当に良いクリニックとは言えません。競合が発生した時に、再びこのクリニックを選んでいただけるだけの魅力がないということになります。
利益を上げるためには、選ばれるための魅力に加えて、仕事の「量と質」の両立が非常に重要です。この２つは相反する要素に感じられるかもしれませんが、仕事量をこなしつつ質を高めることができないと、利益は減少してしまいます。
私たちのグループの施設には、1日で100人近くの採血を行う看護師さんがいます。彼女は経験で得た熟練した技術を持つため、ミスを滅多にしないそうです。量とは、積み重ねると、それ自体が質に変わっていくものなのです。
「その仕事、あとは私が引き取るよ」という上司がたまにいると思います。実は私もそのタイプです。優しく良い上司に見えますが、実際は部下の成長の機会を奪っている可能性があります。知識やノウハウを共有せず、「どうすれば仕事を推進できるか」を教えない限り、部下が仕事量をこなし、質が向上することはありません。将来を担う人材を育てることができなければ、会社にとっても大きな損失です。
仕事の「量と質」を追求することで、皆さんの成長につながり、仕事の価値が向上します。価値のご提供でお客様の満足度が上がり、より多くのお客様にお越しいただけるようになります。その結果、利益が上昇し、さらなる昇給が可能になるのです。私が考える良い会社には、こうした好ましい循環があるのです。
※メッセージ内容は、2023年9月時点のものです
